週末はセッション等で予定がつまっていたため
七十二候のアップが大幅に遅れてしまいました!
この候の謎が深く、検証に時間がかかったのもあります
まだまだ、表面をなぞっただけ、でしょうが
現時点までに見えてきたことをアップします
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
5月20日23:37頃、太陽が双子座00.00度(数え1度)に入りました
二十四節気が、
立夏から
小満(しょうまん:双子座1〜15度)に切り変わります
(今年の小満は、5月20日23:37〜 6月5日14:49頃まで)
「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」 (暦便覧)
万物が精気に満ち溢れ、緑鮮やかに植物が繁りはじめました
しかし、【鬱蒼】と生い茂るまでには至っておらず
まだまだ、これから、という伸び代のある若々しさがあります
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
七十二候は、
小満の初候、
蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)に入ります
太陽が
双子座1〜5度(第1グループ)に入ったことになります
(今年は、 5月20日23:37 〜 5月26日04:30頃 ぐらいまで)
七十二候の一候から二十一候までは、自然の営みが描写されていましたが
この
二十二候ではじめて、人間の手が自然に加わっている様子が描かれます
蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ) は
蚕を飼い、絹をつくる、【マニファクチャー(工場制手工業)】の風景です
【蚕】は人間の手をはなれて生きられない【家畜化】された昆虫です
野生回帰能力を完全に失っているので、野生に放しても生き延びられません
【蚕】 は、卵 → 幼虫 → 蛹 → 成虫 と姿を変える
【完全変態】の昆虫で、【変温動物】でもあります
【蚕】 の幼虫は…
☆
【桑の葉】を猛烈な勢いで昼も夜も大量に食べ続ける
☆ しばらくすると
【眠り】に入り、じっとしている
☆ 脱皮する
という流れを4回繰り返して、 蛹(さなぎ)になります
餌である
【桑の葉】は人間から与えられる必要があり
【蚕】 は
【桑の葉】 がとれる時期(5月から9月)にあわせて
計画的にフ化される、というわけです
4回の脱皮を繰り返した幼虫は
口から出した絹糸で繭(まゆ)をつくり
繭の中で蛹(さなぎ)になります
この繭の状態のときに、まるごとゆでて
やわらかく繭をほぐして、つむいで、絹糸をとります
もちろん繭の中にいる蚕は死んでしまいます
ゆでられるのを免れ、成虫になったとしても
食べる機能が退化しているため、水や餌を摂取できず
翅に対して体が大きすぎるため、飛ぶこともできず
交尾と産卵をすませると最大10日間で死んでしまうのです
まるで人間に利用されるためだけに存在しているかのようです
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
どのサインの1〜5度にも
そのサインのエッセンスが封じこめられています
水星を支配星とする双子座は……
牡牛座で認め味わった素材の素晴らしさを
より効率的に活用するために
その構造を客観的に観察し、分類し、
同じ結果、あるいは、より良い結果を得るための
技術を開発しようとします
この【マニファクチャー】のスケールが大きくなるにつれ
資本家と労働者、搾取する側とされる側という
【持つ者と持たざる者の格差】が開いていきます
後の双子座のサビアン度数に
≪産業労働者のストライキ≫
≪労働者のデモ≫
≪生意気に自己主張する少女トプシー(黒人奴隷の女の子)≫
≪熱弁する婦人参政運動家≫
等々、社会的弱者からの異議申し立てを描写した
サビアンがいくつも出てくるための萌芽が
この
双子座1〜5度(第1グループ) で既に提示されているのです
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【養蚕】の歴史は長く、5000年以上前に中国ではじまったとされます
【蚕】が人間が効率的に利用できるように品種改良され
現在のような生態になるまでの過程は謎に包まれています
日本には弥生時代に中国から伝わったとされますが
古事記や日本書紀には、神の体や口から、
【蚕】や
【桑】が出てきたという
神話がおさめられています
【天の虫】 と書いて
【蚕】…
【蚕】 のことを【お蚕様】と呼んできた歴史
【蚕】 には一筋縄ではいかない秘密が隠されているようです
京都の木嶋神社(通称:蚕の社)には
めずらしい三柱鳥居があることで知られます
※通常は二柱鳥居
三柱鳥居 は、原始キリスト教の三位一体を現したもので
カバラ・生命の樹の三本の柱とも関係が深いのではないか
という説があります
ちなみに
【桑】という漢字も、3つの又(又又又)の木、と書き
三本の足→三本の柱を持つ【生命の樹】
【桑原】→【カバラ】と関連づける人もいます
ちなみに
「くわばら・くわばら」は
嫌なことや災難を避けたいときに唱えるお呪いですが
その由来は……
≪死後に雷神となったという菅原道真(すがわら の みちざね)
の領地桑原に落雷がなかったところから≫
とされています →
goo辞書
実は 菅原道真の菅原は
(かんばら)と読むこともできます
事実、道真公に仕えていた播磨陰陽師は
(かんばらしゅう→かばらしゅう)と呼ばれていたのです
(道真公は学問の神様ですから、水星や双子座にかかわりの深い神様とも言えそうです)
どうも、
【蚕】と
【桑】は、カバラや原始キリスト教と関係が深そうです
実際、双子座1〜5度のうち、2度と4度はイエス・キリストの降誕を祝う
クリスマスと関係が深いキーワードが含まれている度数です
双子座2度 ≪密かに靴下を満たすサンタクロース≫
双子座4度 ≪ヒイラギとヤドリギ≫
また、同じ柔軟宮第1グループには
乙女座2度 ≪掲げられた大きな白い十字架≫
魚座5度 ≪教会のバザー≫ 等々
キリスト教色が前面に出たサビアンの割合が非常に多いと感じます
水星と関連づけられる神
≪ヘルメス≫ は非常に多面的な神で
≪ヘルメス・トリスメギストス≫ は魔術と錬金術の守護神とされます
また
≪ヘルメス≫ は【夢と眠り】の神でもあり
【蚕】が【大食い】と【眠り】のサイクルを繰り返して
脱皮していく様に、それが、あらわれています
古代カバラや播磨陰陽師が
【夢見】を非常に重視しているのも頷けます
このように、双子座は【古代の叡智】とも関係が深いようで……
双子座の一筋縄ではいかない多面性、明暗の対比が
【蚕】と
【桑】を探求していく中で浮かび上がってきたのです