寒蝉鳴(ひぐらしなく):獅子座21〜25度
2016.08.13 Saturday 04:09 : サビアン占星術と二十四節気・七十二候
8月12日16:01、太陽は獅子座20.00度を通過しました
七十二候は、立秋の次候、寒蝉鳴(ひぐらしなく)
太陽が獅子座21〜25度(第5グループ)に入ったことになります
(今年は 8月12日16:01〜8月17日20:57頃 ぐらいまで)
☆ ★ ☆ ★ ☆
【寒蝉】は【ひぐらし】と読みますが
実は【つくつくぼうし】のことではないか、という説があります
というのも【ひぐらし】は夏至の頃から9月中旬頃まで鳴き
【つくつくぼうし】は立秋頃から鳴き始めるから、というのが理由です
つまり【ひぐらし】は夏から秋にかけて、長期間鳴いている
なのに、この候に登場するのは、納得いかない、と考えている人たちが
結構いる、ということでしょう
私も、どちらかなぁ、と思いつつ、蝉時雨に耳を傾けていましたが
【ひぐらし】の鳴き声を聞き取ることができなかったのです
【ひぐらし】の鳴き声(YouTube)
蝉が鳴くのは、多くの生物と同様、オスからメスへの求愛のためです
ところが、8月11日の早朝5:30頃、犬の散歩に出ようとしたとき
はじめて【ひぐらし】の鳴き声が聞こえてきました
ちなみに【つくつくぼうし】の鳴き声も聞こえてきました
というのも、他の【賑やかな】蝉達の鳴き声が聞こえてこず、
周囲が、ひっそりとしていたからです
その、ひっそり感と、【寒蝉】たちの物悲しげな鳴き声は
秋がしのびよってきていることを感じさせました
おそらく、昔の人も、同じだったのではないでしょうか
【ひぐらし】は日の出前後と日没前後に鳴く蝉です
最近、日の出時刻が遅くなってきたので
私にも【ひぐらし】の声が聞こえてくるようになったのでしょう
それまでは、その他の【賑やかな】蝉たちの鳴き声にかき消され
【ひぐらし】の繊細な高音が、かき消されていたのか
あるいは、5:30には既に鳴き終わっていたのでしょう
そして6:45前後になると
他の【賑やかな】様々な種類の蝉たちが鳴きはじめました
彼らは消えたわけではなく、鳴き始める時間が遅くなっただけのようです
【蝉】たちは【太陽の高度】あるいは【明るさ】に反応して
それぞれ、好みの時間帯を選んで鳴き始め、鳴き終わります
昼間の時間が短くなってきたことや
他の種類の蝉の活動時間の変化などの兼ね合いで
この時期、【ひぐらし】の鳴き声が目立ってくるのかもしれません
日中は、まだまだ猛暑が続き、秋の気配など微塵も感じられませんが
早朝は、少しずつ爽やかさが増してきており
その上、【寒蝉】の声は、気温以上の涼感をもたらしてくれます
【賑やか】な蝉たちは、暑い夏の象徴であり
【物悲しげな】寒蝉たちは、秋を告げる存在なのでしょう
賑やかな蝉は、大きな声をもって単純な自己主張をするのに対し
寒蝉は、わびさびを感じさせる、より芸術的な表現を志向しています
また、寒蝉は、他の蝉たちとは異なる【時間】を選択したおかげで
ほぼ【独演会】を演じることが可能となります
【寒蝉鳴】は獅子座のパワーが最高潮に達する、獅子座第5グループですので
【獅子座】の創造性や表現の洗練度がましているのです
水瓶座の【涼感】や【客観性】を取り入れ、昇華した獅子座の表現です
なお、蝉は幼虫として地中で過ごす年月が長く
【ひぐらし】の場合は3〜4年といわれます
長い下積みの後、日の目を見て、賞賛を受ける芸術家
周囲に迎合せず、自分の芸を追及した暁に、大成する芸術家
などに喩えられそうです
なお、この候と次候の度数域である、獅子座21〜30度は
精神世界と縁が深い度数域とされます
【空蝉(うつせみ)】という言葉がありますが
輪廻転生の死生観を【蝉の抜け殻】に託して表現したもので
この世の姿をあらわす【現身(うつしみ)】が訛ったものとされます
この【空蝉】に象徴されるように
蝉にはスピリチュアルなイメージが重ねられてきました
この世は仮の世、抜け殻は肉体
肉体を脱ぎ捨て、空へと羽ばたくスピリットこそが本質…
そのような意識が、この度数域に秘められているのでしょう
天体の運行は、人だけでなく森羅万象に影響を与えます
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サビアンの5度区分への理解を
七十二候(季節や自然の変化)と関連付けながら
深めていくための、kyokoのソロ研究記事です
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